11月23、24日「エコビレッジ国際会議TOKYO2007」が開かれた。稀にみる質の高い感動的カンファレンスであった。参加して、エココミュニティの新機軸への志と野望が喚起された。企画・実行した事務局NPO法人ビーグッドカフェのシキタ純代表理事や宮内朱実さんらの洞察力と組織力を心から讃えたい。世界中の魅力あふれるエコビレッジを取材・発信しておられるダイアナ・クリティアン、“Ecology is art”をファンタスティックに実践しておられるジョバンニ・キアロ、“Happy Earth”への熱い心と行動を示唆されたペニー・ベラスコ等に出会えた幸福感。
とともに、日本も捨てたものではない!の感慨をいだかせてくれたチャレンジ精神にあふれた人々とそれらのプロジェクトを知りえたこともうれしかった。会議全体をコーディネートされた日大教授・糸長浩司さんは、主題に対する理念と哲学、実践と技術の全てにわたるバランスのよい知見をもっておられる。日本におけるGEN(Global Ecovillage Network)のけん引車となって、次から次への状況づくりを開いていただきたい。
「豊かな生き方」のデザイン
ぼくは「エコビレッジ国際会議」では2日目の午後、「コーポラティブ住宅での日本型エココミュニティづくり」を幻燈会方式でプレゼンテーションをした。ユーコート20年の軌跡を通してテーマに接近するとともに、最後に「エココミュニティづくりのこころざし―ユーコートと世界のプロジェクトの共通キーワード」をすくいあげて、今後に備えた。
ゆっくりと真手(までい<*1>)に
― Slow is beautiful.
対人間関係を大切にするヒューマンスケール、人間尊厳
― Human scale and dignity
軽い生き生きとした生活連帯と感動的な楽しい協働
― Active living solidarity and associated relaxation.
「なつかしい未来の創造」/オシャレなふるさとの再創造・継承
― Re-imagine “ancient futures ”, smart and sustainable home town.
いのち・いきものの育みを楽しむ文化
― Enjoy life rearing culture.
気が遠くなるほどのトラブルをエネルギーに変えるセンスを高める
― Empower conflict-friendly sense.
価値づくりの遺伝子の伝播とネットワークづくり
― Communicate gene of making value and networking.
多様なエコロジー<*2>への開かれた心
― Open mind for holistic ecology
これらを板書した後に、頭文字を束ねて韻をふんでみると、「豊かな生き方」、
”Share Eco”となっていた!”Happiness is sharing eco”への想いが会場全体にエコーのように響きわたった・・・
<*1>真手:基調講演で糸長さんは、福島県のある農村集落で使われている生活用語としての「真手(までい)」をsustainable livingのキーワードとして紹介された。それは基本的には「ゆっくり」という意味。
<*2>多様なエコロジー:フェリックス・ガタリのいう3つのエコロジー。生態的・社会的・精神的エコロジーを統合したホーリスティックなエコの考え方。