安弘思遊記(あんこうしゆうき)~延藤安弘の何をめざして生きるんや!~
2012-08-01T18:49:30+09:00
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NPO法人まちの縁側育くみ隊 延藤安弘が日々の出来事を語る
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長者町を木で装おう!
http://enside.exblog.jp/18294763/
2012-08-01T18:49:45+09:00
2012-08-01T18:49:30+09:00
2012-08-01T18:49:30+09:00
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安弘思遊記
長者町通り伝馬町筋角1階の吉田商事が作業場
始まりはおっかなビックリ
でも全体を見渡す村山先生
木は若者を見すえている
夢中の男子学生、仁王立ちの佐々木先生
女子学生もひたすら
先生たちも手を下す
芯をとる 屑をとる 重しとなる
グリップに力
ソーイングはそうするの?
駐車場木化ユニットが出来た!
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人間・空間・時間の交響
http://enside.exblog.jp/18172277/
2012-06-28T17:15:00+09:00
2012-07-02T10:07:29+09:00
2012-07-01T17:39:53+09:00
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安弘思遊記
受賞者は、旧日銀岡山支店を活かす会/NPO法人バンクオブアーツ岡山、佐藤正平、西澤英和、岡山県。
当日は、受賞業績の一番の中心であった「佐藤正平さんの2012年日本建築学会賞(業績)受賞を受賞者共々にお祝いする会」として開かれた。
(写真(上)当日の資料より)
あいさつする
佐藤正平さん 「この場を人でいっぱいにする音楽会が一番うれしい」と佐藤さん
審査員の1人としてかかわった立場から祝辞を求められ、会場いっぱいに集まった約150人の人々に次のようなお話をした。
この作品は建築家、市民、NPO、行政の協働のたまものとして次の5点が高く評価された。
第1に、幸いと慈しみの場所のたまものである。90年前(大正11年)長野宇平治によって設計された旧日本銀行は、昭和20年の戦火に焦土と化した都心にたった1つ生き残った。昭和62年に新しい日銀に移転した時、残された旧日銀は、平成元年岡山県が取得。平成11年「旧日銀岡山支店を活かす会」(座長・荒木雄一郎氏)が設立され、市民による熱くて楽しい文化創造活動の場として育みつつ、建築の保存・再生の動きを高めた。平成10年岡山県は旧日銀を多目的ホールに整備することを決定し、「活かす会」の主力メンバーは同ホールの管理運営を引き受けるための、NPO法人バンクオブアーツ岡山(理事長:黒瀬仁志氏)を設立。平成17年第一期改修工事完了。平成23年第二期改修工事完了・・・このような時の流れのもとに、岡山という都市の生い立ちの中で、旧日銀は生き続け、市民に格別に慈しまれながら近代遺産の創造的保存活用と、まちに開かれた都市庭園の整備をなしえたことは、市民と建築、ユーザーと公共施設の相互に浸透しあう幸いと慈しみの場所のたまものである。
第2に、トータルに真に豊かな空間のたまものである。執務空間から変身した多目的ホールを始め、この建築全体が古い空間と新しい空間が精妙に融け合い、独特の品格と美と落ちつきをみせている。例えば多目的ホールの四隅の柱は、架構的構造体でありながら、かつ聴く人々に妙なる音楽をここちよくとどける設備体でありながら、加えてその軽やかにしてリズミカルな格子模様と白い清潔感により、人々に美的快感をとどける意匠体ともなっている。そこには構造・設備・意匠が有機的生命的な連なりをなめらかに仕掛けるデザインの意思が鮮やかに刻印されている。建物正面の古典主義建築とモダニズムのエントランスホールは、プロポーション・リズム・ボリューム等において同質性を、材質・開放感・細部等において異質性を際立たせている。ここには、古典主義とモダニズムの連続・不連続の絶妙なバランスにひたされたトータルに真に豊かな空間がある。豊穣な空間は時間の推移を生命軸にして生成することを伝えている。
コーナーの柱は構造・設備・意匠の融合体
第3に、衝撃的に粘り強い柔かい運営のたまものである。クライアント(県)の炯眼は、公共空間設計における地元に密着した専門家と、公共空間運営における地元市民まちづくりNPOを適確に選定した。とりわけ今日公共施設の管理運営の全国的な仕組みである指定管理者制度が、コスト節減のみに走り、市民サービス軽視が多い中、岡山県は市民文化活動の創造と公費節減とNPO法人の安定経営を整合させるように、指定管理者制度運用に独特の岡山方式を編みだした。これは、全国の公共施設管理運営の範として特筆すべきことである。
クライアント(行政)として見識ある取り組みをされた元副知事・本田茂伸さん(右)
第4に、ヘイブン=安息の場を表現しうる市民文化活動のたまものである。この日チェリストは、カザルスの「鳥の歌」を演奏した。ぼくが審査のために多目的ホールに足を踏み入れた時は、市民女声合唱団のコーラスの練習に出会った。何れも演奏の場を包む空間は人々の調べの表現をいっそうここちよく盛りあげ、聴く者に天に昇るような気もちを授けてくれた。ここには空間の力と市民の力の相互に響きあう場所の力が着実に育まれている。
公共施設「ルネスホール」大好きな市民・旧日銀岡山支店を活かす会座長・荒木雄一郎さん(左)と、NPO法人バンクオブアーツ岡山理事長・小玉康仁さん(右)
第5に、いろいろなトラブルをエネルギーに変える過程のたまものである。ここに至るまで歴史の魅力と現代を生きる市民の活力が交響する過程には、おびただしい葛藤・対立・トラブルが多発したであろうし、これからもそうであろう。「ゆっくりと粘り強く、持続するこころざしが大切」のコンセプト・ダイアグラムには、「格闘と協働」の言葉がうかがえる。そうなんや、協働というまろやかな言葉の裏には、現実に「格闘技」のようなせめぎあいと切磋琢磨が待ちうけているんや。
ゲームのように「格闘」を楽しみながら、トラブルをエネルギーに変えるしなやかさとしたたかさを、市民も行政も建築家も共に養っていく過程こそアートである。
このとりくみのコンセプトチャート
長いお話に会場の方々は、しんぼう強くつきあって下さった。
これで終わりと思ったであろう人々に「最後に以上の5つのキーワードの頭文字をたてにつないで韻をふむもうひとつのキーワードをさがしてみましょう」といってしまった。
それは「 佐 藤 正 平 」!
その場には大きな拍手!
佐藤正平と岡山の仲間たちは、公共施設の育み方、古い空間と新しい空間のカップリングの方法、ハード・ソフト・ハートの浸透法、等について未来をひらく真にクリエイティブな道筋を具体的に感動を伴って明らかにされた。
この夜、ルネスホールで、人間・空間・時間の交響のデザインの素晴らしさを深々と呼吸し、充足感を心にいだきながら、岡山駅から最終新幹線で帰名した。
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新しいタビダチを祝う
http://enside.exblog.jp/18172091/
2012-06-16T22:40:00+09:00
2012-07-01T17:43:17+09:00
2012-07-01T16:56:44+09:00
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安弘思遊記
石本幸良さんが、30年あまり勤めたコンサルタント会社を退職し、「引退」ではなく、新しい「出発」への記念の日であった。
彼が京都大学入学以来の「40年間をふり返り、これからのまちづくりプランナーとしてのミッションを構築したい」の思い入れをもって企画された会。
ぼくは、幻燈会で祝福のプレゼンテーション。
『「コミュニティのビタミン」でつながりの創発へ』のタイトル。
この日はじめて「コミュニティ・ビタミン」のキーワードを提起したのは、次のような意味合いから。
★コミュニティのビタミンとは?===================
3.11以降「絆」や「コミュニティ」が大切だといわれながらも、地域住民の切実なつぶやきや願いを踏みにじるような頑なな行政の態度が目立ち、その融通のきかぬさまを変える即効性のある「栄養剤」のようなものはないのだろうか?
人間の身体にはビタミンがなければ生命活動の維持ができないように、コミュニティが活き活きとした活動を開始・維持・育成するための触媒となる要素が必要だ-それを「コミュニティのビタミン」を呼ぼう。地域住民や行政組織等の異質なものの間をゆるやかに結ぶ、不可欠な多様な「コミュニティ・ビタミン」を探求したい。
「コミュニティのビタミン」を考えることが、
そのまま人間も地域も安心自立共生するこれからの人育ち・まち育て・まちづくりのイメージにほかならない。
=================================
プログラムは4部構成
1.<時をつなぎ>ひともまちも育みつづける
-絵本『ビロンギング』(ジェニー・ベイカー作,英)
2.<縁が輪>をなす居場所づくり
-名古屋のまちの縁側GOGO(NPO法人まちの縁側育くみ隊)
-まちの縁側5000ヶ所をめざす(長野ボランティアセンター)
3.<記憶><アート><楽しさ>でまちの育み
-繊維業衰退で荒廃した都心地区再生
(名古屋市錦二丁目長者町地区)
4.<レジリエンス(しなやかな回復)>による<ふるさと>再生
-行政との対立を越える<関節はずし>は可能か
※< >は「コミュニティ・ビタミン」
*
ところでこの日の幻燈会は、ギター演奏付き。演奏は澤田好宏さん(ケメコはうす代表,京都産業大学講師)。これまでに2、3度コラボレーションしたことがあったが、久々の協演。
打合せやリハーサルするゆとりが全くないままに、いきなり本番。動物的にカンのいい澤田さんは、小生の語りに耳を傾け映像をみやりながら絶妙なアドリブ演奏。
ギターと語りのポリオフォニックな対話がつづく。音楽と語りが相互に時には挑発しあい、時にはハモりあい・・・。やがて、東北仙台荒浜の下りは、ギターに加えてハモニカで「ふるさと」のメロディが流れると、ぼくは思わず感きわまる。
「延藤は心臓発作をおこしたのか?」と一瞬その場の人々は息をのむ。
「なるようになる。なるようにしかならぬ。」
4本目の荒浜が終わった時、1時間30分が経過していた。おのずから会場に明かりがつけられようとした瞬間、顔中(汗か涙かわからない)水だらけのぼくはそれを制止。「澤田さんへのギターへのアンコールを」といいつつ、一応(アンコールとして)用意していたユーコート物語に移行。
会場は予期せぬ成りゆきにいっそう奮い立った(?)のか、あるいは無理やり押しつけられた(?)空気感が漂ったのか・・・。
入居後25年にして、ユーコート内と近所に、そこで育った若者たちが子連れで合計10世帯も帰ってくるというマンションをふるさとにしたドラマの結びとともに幻燈会はようやくアップ。何と始まってから2時間も経過していた。途中休みなく、ぼくもしゃべりつづけたが、澤田さんもギターを弾きつづけた!ぼくがギターの音色からインスピレーションをもらって気持ちよく語りつづけることが出来たのは、何といっても澤田さんの素晴らしい表現力であった。
。音楽と語りの対話、そして加えて2台のプロジェクタから映し出される映像・・・視聴者の熱意と共感が寄り添った2時間ぶっとおしのこの多重表現世界の冒険は、この日スタートをきった「京・まち・ねっと研究会」と石本幸良さんへの熱い友情と今後の持続的支援の証でもあった。
*
多重表現世界とそれへの共感が滲む会場には、石本幸良さんへの心からのプレゼントとして、次のようなキーワードが浮かびあがってきた。
きょうの一期一会を大切に
まことのここちよさとはネコのような自由感覚
ちがう価値観のわかちあい
ねっしんさとパッションは人一倍
トラブルをエネルギーに変える
頭文字をすくいあげてみると・・・
「京・まち・ねっと」
「京・まち・ねっと」はこのコンセプトで育まれてほしい。
*
ところで、会場は東山区七条の道沿い1階のコンビニ。その2階にある集酉楽サカタニ。酒店を経営しつつ、イベント会場をあわせもつ場所。
サカタニはこの地で約100年近く酒屋を営んでいる。
酒谷兄弟(79才、63才)は、配達に回ったりする中で、住民が高齢化し、独り暮らしのお年寄りも年々増えていくことをみて「みんなが集まり、おしゃべりしながら食事する機会を作れないか」と。
3年前から毎月第三日曜日には「朝粥食べておシャベリ会」を開いている。
何と見事な「縁が輪」というコミュニティのビタミンではないか。ひととまちを内側から元気にする試みが行われていることにいたく感心して会場を後にした。
*
その日のアンケートが後日石本さんから送られてきた。
「音楽とBGMに、まさに絵本のように写真をめぐりながら、お話をきかせて頂く時間は初めてでした。とても心に伝わるものがありました」等の共感の声。
「コミュニティ・ビタミン」への反応をすくいあげてみると、
「ビタミン≒人がまちづくりを楽しむきっかけ、まちのことを考えるきっかけ」
「ビタミンA=Artをきっかけに、ワクワク、楽しさをひきだしていくこと」
「その地域に細やかに、少しずつでもとても重要なものであるという点で、ビタミンという言葉がぴったりだ」
等々。確かな手応えあり!
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青い小屋が駆りたてるもの
http://enside.exblog.jp/17285813/
2012-01-12T17:07:50+09:00
2012-01-12T17:09:00+09:00
2012-01-06T13:15:56+09:00
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安弘思遊記
2011年12月24日、仙台市荒浜を歩いた。
果てしない荒寥。
「こんなに今日は静かなのに、なんであんなイタヅラをしたんやろ?」
連れのMはつぶやく。
突然に光りを発見する。
目にも鮮やかな青。
心にしみわたる不思議なブルー。
海をのぞむ青のたたずまいに
男のさやけき影。
幸麗のSさん。
9月に出会った時、彼はとれたての赤貝のあまくて深い味覚をもって
遠来の支援者を歓待してくれた。
彼の眼の輝きと赤貝の輝きは、お互い恋人のように響きあっていた。
海と風と人とのつながりの中に、私は生きるの志の赤貝。
行政はあろうことか、現地再生への住民の切望をふみにじった。
願いが切断されようとも、私の生きる根源は捨てない。
志を形にした青い小屋!
そこは世界でたったひとつの「漁志ミュージアム」。
鑿(のみ)、小刀、はさみ、ドライバー、手回り道具等が整然と並ぶ箱がいくつもいくつも・・・
祖父の代からの「大吉丸」が刻印されたものは、被災後浜辺でみつけたもの、
いただきものや、まちに出向いて求めたものも・・・
自ら船大工をするための、そして赤貝を漁るために必要な道具たちは
手の延長、技の増殖の仕掛け。
100、200本ものドーグたちは
あらゆる事態に対応するためのDO具たち。
荒れた地に自立を算えるために、7万円かけて発電機を買った。
小屋の片隅に4体の四福神は、
波板を透かす西日の逆光の中で
七福神がそのうちセットになりたいと。
太白山に落ちる夕日はコウゴウシク乱舞。
80歳の勇気ある漁師の魂は残照の中でふるえている。
「この年になっても再び海に生きる道を自らつくろうとする父をみて
私はこの親の子であることに強い誇りを覚えます」と
父と同じ漁師でもある娘はつぶやく。
海の幸を人々に届けることに生命かける幸麗者は
青の導火線を通して
荒浜の人々の志をふるいたたせ、やる気を駆りだす。
「未来にいかなる幻想ももたぬ」
「いま・ここ」に志を表現・行動する人々を
志援することに精魂こめてかかわっていきたい。
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感謝新年2012
http://enside.exblog.jp/17283952/
2012-01-05T22:19:21+09:00
2012-01-05T22:20:30+09:00
2012-01-05T22:20:30+09:00
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安弘思遊記
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希望づくりの方法 -04
http://enside.exblog.jp/16785694/
2011-08-29T14:54:00+09:00
2011-08-29T14:55:59+09:00
2011-08-29T14:55:31+09:00
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安弘思遊記
(3) 集まる象徴的場を立ち上げる
集まる象徴の場と時を意図的に立ち上げることだ。例えば、仙台市で最も被害の大きかった地区の一つである若林区荒波では、半農半漁の荒浜地区(人口1707人、442世代、2005年)と隣接地の土地区画整理事業に伴って生まれた荒浜新地区(1076人、333世帯、同)、そして約1500haの穀倉地帯・緑のじゅうたんが全滅した(図1,2,3)。
荒れはてた野にたった1軒残された住民のTさんは、自家の再生だけではなく荒浜全体の集落・居住地・営農地の再生を目指したいという志を胸に秘めつつ、元々近くにあった浄土宗のお寺の住職さんに会いにいった。そして、「お盆には仮設でいいから本堂を建てて、そこに被災された方々が集まれるようにしよう」と呼びかけた。住職さんにもそのことを希求しておられたので、「やろう!」ということになった。
完全な流失をみた本地区については、仙台市は現位置での再建は安全の面で危惧すべきところが大きいと考え、建築禁止・集団移転という位置づけ、方向づけをせんとしている。であるが故に、住民・住職の願う「“仮本堂”というか“仏具倉庫”というか、プレハブの建物を荒浜被災地内に建築すること」は、仙台市と協議し合意をえなければ困難である。地区再生への基本方針をめぐっての根本的対立をどう乗り越えていくのか、状況の難しさは相当なものではあるが、何れにせよ、初盆を迎えるにあたり死者の霊をなぐさめる(?)場づくりは許されてしかるべきであろう。さらに、毎年行われている盆踊りや、海難事故者を鎮めるための精霊流しも行うことにより、集まる人々の顔が一色に照り映えることになろう。死者への祈りと厄災を鎮めるという象徴的集まりの場を通して、再生に向けての不安と希望を語りあう場が育まれていくとよい。
以上のように、被災者たちの不安を希望を語りあえる場づくりは、次に述べるような具体的アクションをつなぎとめ重ねていくことを通して実り豊かな成果としての創造的住まいまちづくりを生みだすことになる。そこで、以下には順を追って、希望づくりの具体的方法を項目別に述べることにしよう。
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希望づくりの方法 -03
http://enside.exblog.jp/16785681/
2011-08-29T14:48:58+09:00
2011-08-29T14:49:50+09:00
2011-08-29T14:49:50+09:00
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安弘思遊記
(2)公共施設を話し合いの場に 仮設住宅を地域の縁側(縁が和)になるような場づくりにすることに加えて、各地区にある公民館やコミュニティセンターなどで、被災者たちの集いを催すことは可能である。
先日(2011年6月)多賀城市でのこと。津波によって浸水した大代コミュニティセンターが、一定の修復作業がなされた後、被災者及び行政・NPOなどのメンバーによる楽集会が行われた。多賀城市は震災前から地区コミュニティまちづくりを地域主導ですすめる取組みを支援してきた。大代地区コミュニティセンターの運営も来年度から地域住民主体ですすめることになっている。そのような背景のもとに、避難所暮らしを見守っていた行政職員が「そろそろ住民自らが自分たちの住まい・暮らしの再建に向けて立ち上がる心のスイッチを入れる時だ」の判断のもとに、学びと話し合いの場がもたれることになった。
地域住民自らが復旧・復興に向けての議論をしていく場づくりとしては、避難所運営委員会自らがすすめていく場合がある。そうした仕組みは、元々地域の町内会・自治会等の長の方々が、どちらかといえば長老の方々が主導される地縁・長老型である。加えて、30代、40代の若手・中堅層が自発的に「○○地区のまちづくりを考える会」を立ち上げ、地縁・長老型と結び合い、多世代連携型の組織に育てていくことが肝要である。しかし、多世代連携型の地域住民の話し合いの場が必要といっても地区環境の全てが壊滅的に奪われたところでは、人々はあちこちに離散し、かつ集まる場がないことが現実的に集まることの最大の二重のネックである。このトラブルをどうするのか。
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希望づくりの方法 -02
http://enside.exblog.jp/16785676/
2011-08-29T14:46:16+09:00
2011-08-29T14:47:11+09:00
2011-08-29T14:47:11+09:00
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安弘思遊記
(1)避難所・仮設住宅での話し合いの場
先ずは、被災住民たちは話し合いの場がもてないでいることを直視しなければならない。避難所は、日々の食寝等の基本的生活を維持運営する場であり、個々の話し合いはあっても、全体で話し合える場ではない。それでも避難所では宿泊するだけではなく、みんなでプランターに花を植え、園芸を通して絆が育まれていくところもある。しかし、避難所から仮設住宅に移ると、抽選によって、いろんなところから不特定の人々が集まり住みあうことになり、住み手は「こっちに来てからはダメ。みんなあちこちばらばらになっちゃったもの」「避難所が恋しい」の声がでてくる。
仮設住宅は、2年の期間限定の集まり住みあう場である。それはねぐらとして役に立つだけではなく、日常・非日常にわたって人と人の間柄を結ぶことによって、当面の課題を相互に解きほぐす話し合いと、来るべき本格的復興住宅のあり方を学習し討論し提案できる場でありたい。そのためには、ハード条件として20戸以上になると集会所や広場の確保が必要である。ソフト条件としては、そうした共用空間を使いこなす運営とその担い手の育みが重要である。
例えば、仙台◆◆区長町の仮設住宅(◆◆戸)では、「復興まちづくりの創造力を育む仮設居住支援プロジェクト」が、NPOや大学等によってすすめられている。そこでは第1に収納空間づくり、縁台づくり、共同菜園づくりなどを体験することを通して仮設住宅空間の個性化を図ろうとしている。第2に、復興先進事例の学習など、住まいまちづくりの学びのワークショップが行われている。第3に、ひとりひとりが自由に不安と希望をつぶやくことができ、あそこにいけば何かいいことに出会えるかもわからないと思えるような交流イベントを通して、心身共に健やかさを回復・再創造していける「ふれあいサロン」や「まちの縁側」のような居場所づくりが行われている。
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希望づくりの方法 -01
http://enside.exblog.jp/16785669/
2011-08-29T14:44:00+09:00
2011-08-29T14:47:33+09:00
2011-08-29T14:45:22+09:00
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安弘思遊記
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なでしこジャパンにみるまちづくりの極意
http://enside.exblog.jp/16671938/
2011-08-01T11:39:57+09:00
2011-08-01T11:40:47+09:00
2011-08-01T11:40:47+09:00
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安弘思遊記
*
なでしこジャパンにみるまちづくりの極意
1.目標設定:ワールドカップ優勝(震災復興・コーポラティブ住宅 等)
2.目標実現の覚悟:「本気の覚悟」,踏まれてもへこたれない,自生のしなやかさ,「勇気をもってのぞまないと幸運は訪れない」(オシム)
3.プロセス:激しいトレーニング(全力坂)、ベストを尽くし合う共有体験「入念な準備に根ざす奇跡」(オシム)
4.集中力、瞬発力:瞬間の最適相互判断・アウンの呼吸(宮間のコーナーキック→沢の同点ゴール)
5.持続力:最初は相手ペースでも、意志をもってのぞむ限り尻上がりにマイペースにもちこめる,「私たちは走って、また走った。疲れていたけど走り続けた」(沢)
6.トラブル発生:あわてない、あきらめない姿勢は「ありえないことはありえない」状況を生む
7.監督(専門家):上から目線でなくイーブンの関係,「選手を常にリスペクト(尊敬)している」(佐々木監督),笑いやジョークで気分を和ませる
8.信頼:「私を信じ、みんなを信じる」,「仲間のおかげ」(海堀)
「練習が厳しい時は、『体調を考えてもう少し抑えてほしい』と相談できた。それだけ信頼関係ができていた」(沢)
9.楽しむ姿勢:「つらい」と思わずに全てを「楽しむ」,「日本の選手の方が楽しそうにやっていた」(川澄),PK戦の前に「ここからもうけものと思って楽しもうや」(佐々木監督)
10.想像力:見えないゴールをイメージする力,長い期間の入念な準備をすると夢が実現する姿が想像つく(沢)
11.物語的:ナラティブ(語り)アプローチ=人間は物語る存在、物語とは経験を組織化意味づける「意味の行為」(ストーリー性、一人一人が主人公となって状況を劇的につくり変えるプロセス)
12.ドラマ的:無関心な人に気づかせる社会的波及性
13.女性の活躍:「男女同権が進歩している社会は女性サッカーが強い」(米国監督)(思いやり、心(しん)の強さ、コミュニケーション能力、結束力etc.は日本女性ならではの特徴)=楚々として美しく、凛として強い「なでしこ」)
14.自省の心:PK戦はあくまで引き分け扱い「90分で勝てるようにならなくてはいけない」(宮間)
15.未来志向:常に「新しいはじまり」の途上感覚,「自分にとってこの優勝は通過点。次につなげないと」(熊谷)
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創造的復興への想い(15)おもいでいかし
http://enside.exblog.jp/16481274/
2011-06-17T12:37:24+09:00
2011-06-17T12:38:04+09:00
2011-06-17T12:38:04+09:00
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安弘思遊記
復興に向けてのキーワード
1)おいしいつぶやきをひびきあわせて、不安と希望をわかちあおう。
2)ものの整備は必要、でもハードに偏重しない。
―安心安全のために必要なハードはいるが、住民のつぶやきを生かすことが大事
3)いい状況判断ができるように丹念な現場探訪と情報交換を
―まず、おきまりの手法にかたよらない
4)できあいの調査をこえて、直接的意向把握と直接的シャベリ場を立ち上げよう
5)以降の新しい暮らし方の構想を住民の側・専門家らから大胆に提案しよう。
― 3.11以降私たちは歴史的分水嶺にたっている
6)彼のロマンと彼女のリアリズムをいかしてなんとか戻れる状況づくりをしよう
7)シェアリング・ぶつぶつ交換・相互扶助は、目に見える所得をふくらませる効果がある。
―貨幣経済をこえる
「おもいでいかし」の場を東北復興の共通キーワードに!
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創造的復興への想い(14)次の段階への希望を示さないと・・・
http://enside.exblog.jp/16481268/
2011-06-17T12:36:12+09:00
2011-06-17T12:36:52+09:00
2011-06-17T12:36:52+09:00
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安弘思遊記
●復興イメージづくりのキーワード
・イナサ(*)の感覚をもって、悲惨な状況をこえていく道筋を明らかにしよう
(*イナサとは、東北地方で太平洋の南東からくる情けの風、恵みの風のことをいう)
・マイライフ改善のためのガレキ処理等のくいぶち確保の緊急雇用対策や、トイレ・縁台・共同菜園・地元コンビニ等多様なコモンの実現を
・自発協働のゆるやかな動きを仮設住宅サロン活動や、ケアつき仮設住宅に訪問看護活動に生かそう
・ねばり強くホンネトークの場を立ち上げ、まちづくり協議会につないでいこう
・1:1で話をきける場づくりを通して被災者のグリーフケア(悲しみの癒し)を
・ショートタイム(2年)をこえて、3~5年かけての復興計画づくりを、しごとづくり・しくみづくり・住まいづくり等にわたってすすめよう
・よんどころないトラブルをエネルギーに変えよう
以上の7行の頭文字をたてにつないで韻ををふんでみると
イ・マ・ジ・ネ・イ・シ・ヨ・ン
イマジネイション・想像力とは、津波の悲惨さ故に回復の遅さは仕方ないと思うのも想像力。東北はこんなものと思うのも想像力。しかしそうではなく、絶望的状況は希望の始まりと思えるのも想像力。東北の地域力も全国からの支援力まだまだ発揮できると考えるのも想像力。必ずや希望の道筋を明らかにしうると思うのも想像力!何れのイマジネイション・想像力にかけるのかは、上記7つのキーワードの実践への前向きの態度にかかっている。
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創造的復興への想い(13)ふるさと再生有縁コミュニティ住宅づくりへ
http://enside.exblog.jp/16401894/
2011-05-30T22:14:18+09:00
2011-05-30T22:14:59+09:00
2011-05-30T22:14:59+09:00
en-gawa
安弘思遊記
そこでやりたいと願っているのは「ふるさと再生有縁コミュニティ住宅づくり」である。行政主導・効率性偏重ですすめる復興住宅のかたちは、プライバシーと防災重視の名のもとに、各々の住戸の隔離化と住戸群全体としての要塞化=「絶縁体」住居をつくってゆくことになる恐れがある。そこでは、ひとりひとりの住まい方や、集落やまちの彩りを喪くしてしまうただのハコモノがおかれていくことになりかねない。
そうではなくて、生活者の視点からの暮らしと、集落・まちの彩りを喪くすことのない、開かれた住まいコミュニティづくりを目指したい。それは、住民が大切にしてきた、地域に根ざした住文化のいのちにふれる住まいである。その住まいを「ふるさと再生有縁コミュニティ住宅づくり」と呼ぼう。このことについて、内橋克人編『大震災のなかで私たちは何をすべきか』(岩波新書,2011年6月21日刊行予定)の中でふれた。
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縁起の場所へ
http://enside.exblog.jp/16285745/
2011-05-01T19:28:00+09:00
2011-05-05T19:33:58+09:00
2011-05-05T19:31:56+09:00
en-gawa
安弘思遊記
翌日からの3日間は、長者町の旧「まちの会所」から丸の内の新「まちの会所」への引っ越しでおおわらわ。新「まちの会所」は、呉服問屋・糸和の佐藤順一さんから、これまでよりも広い空間を負担可能な家賃で貸して下さるというご縁をいただくことになりました。深謝。
あらためて考えてみますと「縁」という言葉は、インド仏教の初期以来説かれた「縁起」説に含まれており、「縁」はサンスクリット語のpratyaya,プラトヤヤの訳語です。それは「信頼、確信」を意味しますが、佐藤さんは「まちの縁側育くみ隊」に「信頼」を寄せていただいたのです。pratyayaの語源はprati-√iであり、この接頭語prati-は「向かって」「へ」を、またiという動詞はほぼ「行く、生ずる」を意味することから、「縁」という言葉は次から次への方向感に向かって多様性が生起する「縁起」のダイナミズムの根拠を示しています。
新しい縁起の場所を心して育んでいきたい。(2011年5月1日 延藤 安弘)
(参考)三枝 充悳;縁起の思想,法蔵館,2000 年
※ENGAWA NEWS5月号の再掲です]]>
創造的復興への想い(12)計画的支援活動の持続的展開
http://enside.exblog.jp/16183975/
2011-04-13T10:59:00+09:00
2011-04-13T11:32:26+09:00
2011-04-13T11:00:22+09:00
en-gawa
安弘思遊記
(1)初動期からの対話のプロセスの持続の仕掛け
「メンタルケアのための対話」(救助・救済・復旧時)から「住まい・集落・まち再生に向けての対話」(復興・発展時)へと住民・専門家ら同じメンバーによって計画的に対話のプロセスを持続させる。
(2)異領域を横断するチーム編成の仕掛け
計画実践の領域におけるコーディネーター/ファシリテーター、及びプランナー/デザイナーの組合せのみでなく、諸専門領域として、土木・建築・生態・地理・歴史・文化・民俗学・社会学・経済学・法学・心理学・文学などをクロスオーバーする異能集団のチーム編成。
(3)地域密着性と広域性の結合の仕掛け
以上のメンバーの中には、当該計画地域に常時住民と応答・行動のできるグループ形成と、臨機応変に全国各地から、時には海外からも知的エネルギーを結集できる状況づくりを結合する。
換言すると、コア・グループとアドホック・メンバーが状況の進展に応じてゆるやかに協働できる仕組みをひらく。
(4)広域的テーマと即地的テーマの弾力的連携的展開
行政主導的に行われる県・市レベルの地域再生・基本構想に提案創造をなしえるテーマ設定と、再生計画単位(集落・エリア別)での再生基本構想・基本計画を住民との対話のもとにすすめるテーマ設定を両立させる。
又は、後者のみに焦りこむテーマ設定もある。
(5)計画的支援期間の漸進的展開
計画的支援を年度的に進行させる
ⅰ 準備段階―計画対象地域・地区の設定にあたり、対話型プロジェクトが成立するか否かの基礎調査・状況把握(1年)
ⅱ 基本構想段階―対話型プロジェクトへのゴー・サインがえられると基本構想づくりに赴く(1年)
ⅲ 基本計画段階―(1年)
ⅳ 基本設計段階―(1年)
ⅴ 建設段階 ―(1年)
ⅵ 入居・管理段階―(1年)
あらあらの案ではあるが、大切なことは地域主導のもとに一貫して対話的支援活動がすすめられる状況を、5・6年(あるいは10年)にわたって持続することである。このような計画的支援活動を助成する主体は誰であろうか。国、自治体、財団等しかるべき担い手の登場を切望する。
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