住宅総合研究財団主催の「住まい・まち学習」実践報告・論文発表会は今年で9回目を迎えた。4月5日(土)建築会館で行われた発表会では、山形県の高校生3人の生きのよい発表をはじめ、計8編は全て中味の濃い充実ものばかりであった。いつもはまとめで、発表とやりとりの全体を通じてのキーワードをすくいあげるが、今年は8編ひとつひとつの特徴を創造的住まい・まち学習の方法的キーワードとして束ねてみた。それらは発表順に次の通り。
<身近な「暮らす場」での子と母の住教育・環境教育―吉橋久美子(環境まちづくり事務所くらすば)>
旬を大切にするわかる、わかりあう関係づくり
―ユリカゴのようなつつまれる場づくり、あなたは大切にされているの思いや失敗しても大丈夫感を分有
<那珂川河畔を対象としたまちづくり学習の実践(2)河川水族館のデザインを課題として―諫見泰彦(九州産業大学)>
パッションと表現技術とプロセス
―人間・環境マインドの継承と内外からの共感をえる
<「えき・まち活性化」で育んだ高校生の公益活動―大木千夏、居城夏美、高橋小百合、江本一男(山形県立置腸農業高等学校)>
緑系エコと経済系エコの統合によるワクワクしながら地域づくりへ
―衰退は誰かがとめるのではなく、そこに住む人間が立ち上がる
<建築系専門学校生のための住まいづくり体験プロジェクトの実践―左海晃志(大阪工業技術専門学校)>
とにかく全プロセスをかけぬけ、生きもののような住宅づくり体験―施工の連続性やディテールに生命が宿る状況を実感する
<持続可能な社会づくりのための学習支援プログラム―尾崎司(東京家政大学)>
自分と環境を育む体験学習の事業化
―気づきから行動と価値発見へのエンパワーメントの流れ
<知的障害者通所授産施設利用者と地域住民が連携した「まち中の落書き消し隊」活動実践報告―小口優子((財)としま未来文化財団、(有)まち処計画室>
ぞうきんで拭くという小さな活動から公園整備という大目標へ
―手間と時間をかけて地域間協働、官民協働の関係を育む
<コミュニティカフェと地域の縁側づくり―陣内雄次(宇都宮大学、とちぎ市民まちづくり研究所)>
苦楽をわかちあい民民協働と市民育ち
―地域の縁側づくりによる地縁と志縁を結びサスティナブル・コミュニティづくりへ
<三浦半島における市民活動によるエコミュージアムの展開―大原一興(横浜国立大学)>
緑・海・文化・産業等の地域遺産と市民活動のネックレス化
―学びの共同体、知のコモンズとしてのエコミュージアム
ところで、ひとつひとつへのコメントといいながらも、各行の頭文字を縦につないでみたら
<しゅん・ぱつ・りょく・と・じ・ぞ・く・りょく>
<瞬発力と持続力>
となった。
そこでさらにアドリブで発表内容にあった瞬発力構成要素3つと持続力のそれを4つあげてみた。
・ センス・オブ・ワンダーの喚起
・ 感動をよぶ仕掛け
・ 異和感感をエネルギーにする
・ 励まし合い発信する
・ 関係の網の目と世代間継承を次から次へ
・ 笑いと若者の力
・ るんるん&リーズナブル
またまたヘッドレターをつづけてみると
<世界は変わる>
となった。
瞬発力と持続力を伴った創造的住まい・まち学習によって、世界は変わる!
そんな予感を会場全体で分かちあう中で、実り多い4時間のセッションは幕をおろした。
来年は10回目を迎えるが、今年以上の盛り上がりを期待したい。