毎週火曜日の午前中は愛知淑徳大学でのまちづくりの講義。7月19日は、授業を始める前になでしこジャパンのワールドカップ優勝をめぐって、なでしこジャパンにみるまちづくりの極意をしゃべった。学生たちは僕の意見に加えてユニークな視点を寄せてくれた。まとめると下記の通り。
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なでしこジャパンにみるまちづくりの極意
1.目標設定:ワールドカップ優勝(震災復興・コーポラティブ住宅 等)
2.目標実現の覚悟:「本気の覚悟」,踏まれてもへこたれない,自生のしなやかさ,「勇気をもってのぞまないと幸運は訪れない」(オシム)
3.プロセス:激しいトレーニング(全力坂)、ベストを尽くし合う共有体験「入念な準備に根ざす奇跡」(オシム)
4.集中力、瞬発力:瞬間の最適相互判断・アウンの呼吸(宮間のコーナーキック→沢の同点ゴール)
5.持続力:最初は相手ペースでも、意志をもってのぞむ限り尻上がりにマイペースにもちこめる,「私たちは走って、また走った。疲れていたけど走り続けた」(沢)
6.トラブル発生:あわてない、あきらめない姿勢は「ありえないことはありえない」状況を生む
7.監督(専門家):上から目線でなくイーブンの関係,「選手を常にリスペクト(尊敬)している」(佐々木監督),笑いやジョークで気分を和ませる
8.信頼:「私を信じ、みんなを信じる」,「仲間のおかげ」(海堀)
「練習が厳しい時は、『体調を考えてもう少し抑えてほしい』と相談できた。それだけ信頼関係ができていた」(沢)
9.楽しむ姿勢:「つらい」と思わずに全てを「楽しむ」,「日本の選手の方が楽しそうにやっていた」(川澄),PK戦の前に「ここからもうけものと思って楽しもうや」(佐々木監督)
10.想像力:見えないゴールをイメージする力,長い期間の入念な準備をすると夢が実現する姿が想像つく(沢)
11.物語的:ナラティブ(語り)アプローチ=人間は物語る存在、物語とは経験を組織化意味づける「意味の行為」(ストーリー性、一人一人が主人公となって状況を劇的につくり変えるプロセス)
12.ドラマ的:無関心な人に気づかせる社会的波及性
13.女性の活躍:「男女同権が進歩している社会は女性サッカーが強い」(米国監督)(思いやり、心(しん)の強さ、コミュニケーション能力、結束力etc.は日本女性ならではの特徴)=楚々として美しく、凛として強い「なでしこ」)
14.自省の心:PK戦はあくまで引き分け扱い「90分で勝てるようにならなくてはいけない」(宮間)
15.未来志向:常に「新しいはじまり」の途上感覚,「自分にとってこの優勝は通過点。次につなげないと」(熊谷)