人はなぜ自分の住むお家(うち)に帰るのかナ?
おなかがすいたら食べなくっちゃ・・・
ひとりで食べるより家族みんなで食べるとおしゃべりがはずむ。
時には、よその家族ともいっしょに食べるって楽しいナ!
トイレでマンガを読むことだってある。
おふろにつかるとつかれがとんでいく。
何といっても「おやすみなさい」とともに自分のふとんの中にすべりこむ時
最高に家っていいナと思う。
もちろん、地震や災害に強いから安心できる。
朝、窓をあけはなつとここちいい風が吹きこんできて、目覚めをよくしてくれる。
時には風の道にねころんでいるとホッとする。
窓辺での日なたぼっこはキモチがいいナ。
窓の外の木の花がやがて実をつけているのを発見する時のオドロキ。
押入れの中にもぐりこんで遊ぶってワクワク。
しかられて押入れにぶちこまれる時はシクシク。
イヌやネコがいっしょにいるとやがて悲しみは晴れていく。
イヌやネコの世話をするって生命へのやさしさに気づかせてくれる。
お家(うち)って安心と健やかさと楽しさとやさしさを保ち育んでくれるところ。
安心、健やかさ、楽しさ、やさしさを実現していく住まいは、
1軒の家で閉じられることなく、まわりとのつながりの中で実現していく。
防犯のためにお家(うち)とお家(うち)が閉じあうよりも
実はお互いに開きあい、向き合った方が安心が高まっていくもの。
お日さまや風や緑をわかちあえるようなお家(うち)とお家(うち)のつながりがあると
ひとりひとりが日々をキゲンよく生きれる場所が生まれる。
四季のめぐりに応じて、お祭やパーティや色々な行事等をご近所みんなでやれると
思いがけない、思い出にのこる楽しいことがくりひろげられる。
お年寄りや車椅子の人と道端で出あう時、あいさつだけでなく、
何かできることあればやってみるといいナ。
お家(うち)とお家(うち)のスキマに、道や広場等に草花を育てたりしていると
自分とまわりの人々や生き物へのやさしい共感の心がにじんでいく。
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なぜ人は自分の住まいに帰るの?
それは、ひとりひとりの安心と健やかさを守るとともに、
まわりの家々とのつながりのある住み方を通して
ひとりひとり、家族、ご近所の人々も共に
楽しさややさしさを実感できるところだから。
そのことは人が生きていく上でかけがえのない大切な暮らし方・生き方を
支え育むことにつながっている。
住まいは生き方やねん!
家とは生き方を育むところやねん!
(注:本稿は、7月31日千葉大学で行われる「子ども大学」のために書いたものです。)